アルム
「?・・・ 君は・・・。」

 

 

 
アルム
「セ・・セリカ? セリカなの!」

 

 

 
セリカ
「アルム・・。やっぱりアルムだったのね。」

 

 

 
セリカ
「良かった。逢いたかった・・・。」

 

 

 
セリカ
「私が村を出てから、もう随分も逢ってないもの・・。」

 

 

 
アルム
「そうだよ。」

 

 

 
アルム

「俺達小さい頃から兄妹みたいに育って、いつも二人で遊んでいたのに。セリカ、突然いなくなるんだもの。」

 

 

 
アルム
「あの時は俺・・・、本気で爺ちゃんを恨んだよ。」

 

 

 
セリカ
「私だって悲しかった。でも仕方なかったの。」

 

 

 
セリカ
「お爺様は私に言ったわ。」

 

 

 
セリカ
「このままラムの村にいたら、ドゼーが村を襲って来る。」

 

 

 
セリカ
「そしたら私は捕まって殺されてしまうって・・・。」

 

 

 
アルム
「何故? 何故ドゼーはセリカを殺そうとするんだ。」

 

 

 
セリカ
「それは・・・。ごめんね。今は言いたくない。」

 

 

 
セリカ
「それよりもアルム、お願いがあるの。」

 

 

 
セリカ
「リゲル王国との戦争、何とか止められないの。」

 

 

 
アルム
「それは無理だよ。」

 

 

 
アルム
「リゲルのルドルフ皇帝は、ソフィアが内乱で弱っている隙を突いて侵略を始めたんだ。」

 

 

 
アルム
「このままではソフィア王国は滅びてしまう。」

 

 

 
セリカ
「でも、リゲルもソフィアも元は同じバレンシアの人間でしょ。」

 

 

 
セリカ
「国なんか無くっても幸せに暮らせるはずだわ。」

 

 

 
アルム
「駄目だよ。野蛮なリゲルの下ではソフィアの民は生きてゆけない。」

 

 

 
アルム
「リゲルがドゼーに手を貸し、ソフィアの大地を侵す以上僕らは戦うしかないんだ。」

 

 

 
セリカ
「そう、悲しいものね・・・。」

 

 

 
セリカ
「私にはルドルフ皇帝が、みんなが言うほどそんなに悪人とは思えない。」

 

 

 
セリカ
「話し合えばきっと分かるのに・・。」

 

 

 
セリカ
「それともアルムはみんなから英雄に祭り上げられて、国王にでもなりたいの。」

 

 

 
アルム
「そんな! 酷いよ、セリカ。僕にはそんな野心は無い。」

 

 

 
アルム
「僕はただ、ソフィアの人達を守ってあげたいだけなんだ。」

 

 

 
アルム
「それにソフィア王家には、一人だけ王女が生き残っているらしいから捜し出すつもりさ。」

 

 

 
アルム
「その王女様が見付かれば、僕はいつだって村に帰るよ。」

 

 

 
セリカ
「ソフィアに王女なんかいないわ。もう王家は滅びたのよ!」

 

 

 
セリカ
「もういい。分かったわアルム。あなたはリゲルに行けばいい。」

 

 

 
セリカ
「私は仲間達とミラ神殿に行きます。」

 

 

 
アルム
「セリカ!?」

 

 

 
セリカ
「さよなら、アルム・・・・。」

 

 

 
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