ファイアーエムブレム外伝 研究所

FIRE EMBLEM  Side-story

ジュダの呪力

外伝の謎
ジュダの呪力
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恐怖の呪術

『うう。く、苦しい。ジュ・・ジュダの呪いが・・。』

 これは第4章・賢者の里で絶命した男の断末魔の叫び。まだ見ぬ敵、ジュダへの恐怖心が募るワンシーン。
 しかしここで疑問が生じる。 この男、ジュダに呪殺されたのは確かだが、それは一体どの様なタイプの呪術だったのか。
 男の死に様を検証する事によって、ジュダの呪力を分析する。

 
遠隔操作で仕留める
 考えられるタイプは二つ。一つは遠隔操作型、もう一つは自動起爆型だ。
 遠隔操作、つまり遠く離れた場所から男に呪いをかけて殺したというもの。だが、いかにドーマ教団の祭司長とは言え、そんな事が可能なのか。また、遠隔操作だとすれば、なぜジュダは男が秘密を喋ろうとした事を察知できたのか。
 ジュダは第5章において、アルムに対し遠隔攻撃を仕掛けている。この時アルムは、ジュダの呪いによって一時動きを封じられた。この件から、ジュダは遠隔地からでも対象者に呪いをかけられる事が分かる。
 さらにジュダは、水晶玉(らしき物)でバレンシア各地の情勢を見ることができる。第4章・ドーマの塔最上階で、セリカもこの水晶玉を通して「竜の火口」で苦戦するアルム達を見ている。距離的に考えても、賢者の里であれば十分探知範囲内だろう。
 以上の事から、遠隔操作による呪術は可能だと考えられる。
 
バルボは危なかった?!
 一方で、別の疑問が生じる。第5章でアルムに対して行った呪いは、殺害するまでには至っていない。ジュダにしてみれば、ドーマを脅かす存在であるアルムを消してしまいたかったはず。にも拘らず、結果的には一時的な金縛り程度の効果しかなかった。もしかしたら遠隔攻撃では、殺傷する程の呪力は無いのではないだろうか。
 一つに距離の問題が考えられる。ジュダがアルムに呪術を仕掛けた時、壁で隔てられてはいたものの、実は同じB2フロアだった。もし呪術の威力に距離が関係あるとしたらどうか。至近距離のアルムですら殺せないのに、遥か賢者の里の人間は殺せないだろう。
 あるいは魔法防御が関係しているのかも知れない。バレンシアにおいて魔法防御は生まれ持った数値で、魔戦士にならない限りは一生不変。アルムの魔法防御は「4」。それ故、金縛りで済んだ。しかし男の魔法防御は「0」で、呪術に対する耐性が無かったが為に、死に至ったのだと考えられなくもない。
 
祭司長はヒマじゃない
 だが、さらに大きい疑問がある。呪いは、男がジュダの秘密の一端を口にした瞬間に始まっている。ジュダは四六時中、誰かが秘密を喋らないか、水晶玉を見て目を光らせているのだろうか。
 仮に秘密を知る者がこの男一人だったとしても、やはり常時監視し続けるのは難しい。ましてやこの時のジュダは、アルムとセリカの迎撃の対応に忙しい時期。とてもそんな事をしている余裕はなかったと思われる。
 
自動起爆で仕留める
 ではもう一つの可能性、自動起爆型を考えてみよう。こちらは非常にシンプルかつ効率的。あるキーワードを口にした瞬間、呪いが発動するように前もって仕掛けておけば良い。
 男がドーマ教団に仕えていた時にジュダの秘密を知り、不運にもそれをジュダに悟られてしまった。男はそれなりに優秀な男だったので、ジュダは即座に殺さなかったが、念のために呪いをかけて解放したのではないか。これならジュダは、男が秘密を喋らないか常時監視していなくても、呪いが勝手に始末してくれる。
 そう思わせる言葉を男は自ら発している。それは呪いが発動した瞬間、即座にジュダの呪いだと察知している事だ。体調の異変を感じた時、心筋梗塞等の病状を一切疑わず、なぜジュダの呪いだと即断したのだろうか。それは男自身が、自分に自動起爆型の呪いがかかっている事を知っていたからに他ならない。
 
勇者、無念の死
 だとすれば、この男は大変な勇者であると言えよう。ジュダの秘密を口にすれば、呪いが発動して死んでしまう事は分かっていた。しかし男は自らの命を投げ打って、セリカにジュダの秘密を打ち明けようとしたのだから。
 だが残念な事に、男の死を賭したメッセージをセリカは全く理解出来なかった。セリカは最終節・ドーマの祭壇でアルムに向かって、ジュダに攻撃が通じないと泣き言を言っているからだ。
 もっとも、『4、8、12、・・・。』で理解しろと言うのも無理があるか。
 
ジュダの呪力
 結論として、ジュダの呪術は遠隔攻撃が可能。しかし殺傷能力は無く、攻撃範囲も限定される可能性が高い。
 一方で自動起爆型の呪術も使用出来る。こちらは遠隔操作と違い、十分な殺傷能力を持っている。 だが対象者に、事前に直接仕掛けておく必要がある。

 いずれにしても、恐るべき呪力である。
 

記:2004年02月29日